第7章では建物そのものを扱います。まずは入口として、管理業務の柱である「維持保全」が何を指すのかを正確につかみましょう。
賃貸住宅管理業法でいう維持保全は、居室と、居室の使用に密接に関係する部分について、点検・清掃などの維持と、必要な修繕を「一貫して」行うことを指すのよ。
えっ、掃除だけじゃダメなの? マジで!?
そう。
草刈りだけ、清掃だけ、といった一部分だけを請け負うのは、法律上の維持保全には当たらないの。
点検して、悪いところを直すところまでがセットよ。
つまり、「維持」と「修繕」の両方が揃って初めて維持保全と呼べる、という理解で合っていますか?
そのとおり。
きれいな整理ね。
うぅ〜ん…居室に密接な部分って、お部屋の中だけじゃないの?
玄関・廊下・階段といった共用部分、それに給水設備・排水設備・電気設備・ガス設備・消防用設備なども含まれるわ。
建物まるごと、という感覚でいいの。
部活で言うと、ラケットのガット張り替えだけじゃなくて、シューズもバッグも全部見るってことか。
点検にも種類がありますよね。
ええ。日常点検は日々の巡回で目視が中心。定期点検は周期を決めて計画的に行うもの。
そして法定点検は、建築基準法・消防法・水道法などが義務づけているものよ。
法律が「やりなさい」って決めているのが法定点検なんだね。
試験ではこの区別が問われるわ。
法定点検は、根拠となる法律とセットで覚えて。
壊れてから直すんじゃダメなの?
それが事後保全。
壊れる前に手を打つのが予防保全ね。
予防保全のほうが、結果として費用も入居者の不満も抑えられることが多いの。
修繕履歴を残す意味も、そこにつながりますね。
そう。
いつ何を直したかの記録があれば、劣化の周期が読める。
賃貸人への報告の根拠にもなるし、次の修繕計画の土台にもなるわ。
確認クイズ
賃貸住宅管理業法における「維持保全」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 建物の清掃のみを請け負う場合も、維持保全に当たる。
- 点検・清掃等の維持と、必要な修繕を一貫して行うことをいう。
- 対象は居室の内部に限られ、共用部分や給水設備は含まれない。
- 破損箇所を修繕することのみを指し、点検は含まれない。
こたえを見る
正解: 2. 点検・清掃等の維持と、必要な修繕を一貫して行うことをいう。
維持保全は、点検・清掃等の維持と、必要な修繕を一貫して行うことをいいます。選択肢1のように清掃のみ・草刈りのみといった一部分だけの請負は、維持保全に当たりません。選択肢3も誤りで、玄関・廊下・階段等の共用部分や、給水・排水・電気・ガス・消防用設備など、居室の使用と密接に関係する部分も対象に含まれます。選択肢4は、点検を含まないとしている点で誤りです。