法律は社会の困りごとから生まれます。この法律ができるまでに、賃貸住宅の世界で何が起きていたのでしょうか。
条文に入る前に遠回りをしましょう。
なぜこの法律が必要になったのか。
背景を知る人は、条文の意味を取り違えないから。
ぽわわ〜、法律にも生まれた理由があるんだ…。
あるのよ。
まず、賃貸住宅を持っているのはどんな人だと思う?
うーん、お金持ちのおじさん?
…相続で引き継いだ個人の方が多いはずです。
ジャスミンちゃんのイメージは少し偏っているかも。
つむぎさんの言うとおり。
重要なのは、その所有者の高齢化が進んでいること。
相続をきっかけに、遠方に住んだまま物件だけ持つ不在化も増えたわ。
遠くに住んでたら…雨漏りしても、気づけないよね。
そこなの。
自ら管理するのが難しくなった賃貸人は、管理業者に委託するようになった。
今では委託がすっかり一般的よ。
補足すると、それは管理業者の責任が重くなったことを意味しますね。
入居者の暮らしが業者の仕事ぶりに左右されるのですから。
そこまで言えれば十分。
ところが、その管理業者を規律する法律が長らく無かったの。
マジで!? ノールールで試合してたようなもんじゃん…!
厳密には、2011年から国土交通省の告示に基づく登録制度はあったのよ。
でもそれは任意。
登録しない業者には効き目がなかった。
任意の制度は、守る気のある人しか守らない…構造的な穴ですね。
そこへ追い打ちをかけたのがサブリースを巡るトラブル。
家賃を長期保証すると勧誘しながら、後から賃料を減額される。
そんな相談が相次いだの。
…それって、信じた人が損をするってことだよね。
ずるいと思う。
だから法律が動いた。
2020年6月に成立・公布され、サブリース規制が同年12月15日、登録制度が2021年6月15日に施行されて全面施行に至ったわ。
確認クイズ
賃貸住宅管理業法が制定された背景に関する記述として、適切でないものはどれか。
- 賃貸人の高齢化や相続、遠隔地への居住が進み、賃貸人が自ら管理することが難しくなった。
- 管理業務を管理業者に委託する賃貸人が増え、管理業者が果たす役割が重要になった。
- サブリースを巡り、家賃保証に関する説明と実際の賃料減額のギャップなどのトラブルが社会問題となった。
- 法制化以前は、賃貸住宅管理業者を対象とする登録制度は一切存在しなかった。
こたえを見る
正解: 4. 法制化以前は、賃貸住宅管理業者を対象とする登録制度は一切存在しなかった。
適切でないのは選択肢4です。法制化以前も、2011年から国土交通省の告示に基づく賃貸住宅管理業者登録制度が存在しました。ただしそれは任意の登録制度であり、登録しない業者には規律が及ばないという限界がありました。賃貸住宅管理業法は、これを法律に基づく制度へ格上げしたものです。選択肢1〜3は、いずれも法制化の背景として適切な記述です。