第3章の入口は「誰と誰が、どんな契約を結んでいるのか」の整理です。ここを図で描けるかどうかが、この章のすべてを決めます。
今日からサブリース方式に入ります。
まず登場人物を3人にしぼるわね。
オーナー、サブリース業者、入居者。
この3人が縦に並びます。
縦に並ぶ? 横一列じゃなくて?
そう、縦。
上から順に、オーナー ─ サブリース業者 ─ 入居者。
上の段の契約がマスターリース契約、下の段の契約が転貸借契約です。
つまり、オーナーは自分の建物をサブリース業者に「貸して」いて、その業者が入居者に「また貸し」している、という理解で合っていますか。
そのとおり。
法律の言葉では「また貸し」を転貸というの。
だからサブリース業者は、二つの顔を持つことになるわ。
ふたつの顔…? それって、オーナーから見たときと入居者から見たときで、呼び名が変わるってこと?
ましろさん、鋭いわ。
オーナーとの関係ではサブリース業者は賃借人。
入居者との関係では転貸人、つまり貸主の立場になります。
同じ業者が、上を向けば借主・下を向けば貸主。
つまり一人二役だ! ダブルスのペアで、前衛と後衛を一人でやってるみたいな感じ!
…その喩え、意外と的確かも。
ちなみに入居者は転借人と呼ばれますよね。
ええ。
そして比べておきたいのが管理受託方式。
こちらはオーナー自身が入居者と賃貸借契約を結んだまま、管理業務だけを業者に委託する形です。
賃貸人はあくまでオーナー。
えへへ、分かったかも。
サブリースは「契約の相手が入れ替わる」、管理受託は「契約の相手はそのままで、仕事だけ預ける」…ですね?
完璧よ。
ちなみに賃貸住宅管理業法では、マスターリース契約を特定賃貸借契約、サブリース業者を特定転貸事業者と呼びます。
法律用語と実務用語、両方セットで覚えてね。
確認クイズ
サブリース方式におけるサブリース業者の法的な立場として、正しいものはどれか。
- オーナーとの関係でも入居者との関係でも、賃貸人の立場に立つ
- オーナーとの関係では賃借人、入居者との関係では転貸人の立場に立つ
- オーナーの代理人として、入居者と賃貸借契約を締結する
- 入居者との賃貸借契約の当事者はオーナーであり、業者は管理業務を行うにとどまる
こたえを見る
正解: 2. オーナーとの関係では賃借人、入居者との関係では転貸人の立場に立つ
サブリース業者はマスターリース契約でオーナーから賃借する賃借人であると同時に、入居者に転貸する転貸人でもあります。選択肢3の代理や選択肢4の管理受託方式とは、契約当事者が誰かという点で明確に異なります。