サブリース規制が及ぶかどうかは、その契約が「特定賃貸借契約」に当たるかで決まります。定義を一語ずつ分解しましょう。
特定賃貸借契約の定義はこう。
「賃貸住宅の賃貸借契約であって、賃借人が当該賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結されるもの」。
太字が心臓部よ。
契約の時点で「転貸して事業をやるつもり」であること。
そこが要件になるわけですね。
ええ。
逆に言えば、家賃保証があるかどうかは定義に入っていないの。
保証がなくても、転貸事業目的なら特定賃貸借契約です。
えへへ、そこ引っかけっぽいね。
じゃあ「事業を営む」ってどこからが事業なの?
いい問いね。
営利の意思をもって、反復継続的に転貸すること。
この2つがそろって「事業」と見ます。
うぅ〜ん…わたしのお父さんが、借りたお部屋をおばあちゃんに貸してあげたら、それも特定賃貸借契約になるのぉ?
ふふっ、ならないわ。
個人が親族に転貸するようなケースは、営利の意思をもって反復継続的に行うものではないから、事業とは言えないの。
会社が住宅を借り上げて、従業員に社宅として貸す場合はどうなりますか。
転貸ではありますが。
相場より低廉な使用料で貸すなど、営利性が認められない社宅であれば、特定賃貸借契約には当たらないと整理されています。
ただし転貸で利益を上げているなら話は別。形式ではなく営利性・反復継続性で判断するのよ。
形式じゃなくて中身か…テストで「社宅だから必ず除外」って書いてあったら怪しいってことじゃん?
その警戒心、正解に近いわ。
もう一つ、賃貸人と密接な関係を有する者が賃借人になる場合も、国土交通省令で定めるものとして定義から除かれます。
個人なら親族、法人なら親子会社や関連会社などね。
身内どうしの貸し借りに、業者向けの厳しい規制をかけても意味がない…からですか?
そう。
規制の趣旨は、事業者と一般のオーナーの間の情報格差を埋めることにあるの。
だから身内取引は射程外なのよ。
確認クイズ
特定賃貸借契約に該当するものとして、最も適切なものはどれか。
- 個人が賃借した住宅を、自分の兄に住まわせるために転貸する契約
- サブリース業者が転貸事業を行う目的でオーナーから賃貸住宅を賃借する契約(家賃保証の定めはない)
- 企業が社員寮として借り上げ、営利性のない低廉な使用料で従業員に使用させる契約
- オーナーが管理業者に建物の維持保全を委託する管理受託契約
こたえを見る
正解: 2. サブリース業者が転貸事業を行う目的でオーナーから賃貸住宅を賃借する契約(家賃保証の定めはない)
特定賃貸借契約の要件は「転貸する事業を営むことを目的」であることであり、家賃保証の有無は要件ではありません。選択肢1は親族への転貸で営利性・反復継続性を欠き、選択肢3も営利性がなければ該当しません。選択肢4は転貸を伴わない管理受託契約なので、そもそも別類型です。