分別管理の実務

預かった家賃を自己の財産と混ぜてはいけません。賃貸住宅管理業法16条の分別管理義務、収納口座と保管口座の役割、そして帳簿による勘定上の分別を整理します。

編集・検証: 賃貸不動産経営管理士スタディ編集部 公式情報: 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会 制作・検証方針

預かった家賃を自分の財布と一緒にしてはいけない——これが分別管理です。賃貸住宅管理業法16条が定める、収納口座と保管口座の考え方を押さえます。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

預かったお金をどう管理するか。
ここは賃貸住宅管理業法16条が正面から義務づけているところよ。
試験でも頻出だから、真剣にいきましょう。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

むむむ…お金を預かるって、それだけで責任が重い感じがする…

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

その感覚が正しいわ。
管理業者は、管理受託契約に基づいて受領した家賃等を、自己の固有財産および他の管理受託契約に基づく金銭と分けて管理しなければならない。
これが分別管理よ。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

自分のお金と混ぜるな、はわかる。
でも『他の契約の金銭』とも分けるの? 大家さんごとに全部別々ってこと?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

そこは口座を無限に開設しろという意味ではないはずです。
……先生、帳簿で足りるという整理ではありませんか?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

鋭いわ。
口座は固有財産と家賃等とを明確に区分することが必要。
そのうえで、どの管理受託契約に係る金銭かは、帳簿または帳簿の電磁的記録によって直ちに判別できる状態にしておけばいいの。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

じゃあ、同じ口座に入っていても、帳面の上でちゃんと分かれていれば大丈夫…?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そういうこと。勘定上の分別ね。
ここで登場するのが収納口座と保管口座という考え方よ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

収納口座は、入居者から家賃等を集金するための口座。
保管口座は、集めた家賃等を管理業者の固有財産と分別して管理するための口座——という区別ですね。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

入り口の口座と、預かり金を寝かせておく口座。
……あ、それって、集めた分はさっさと保管口座に移せってこと?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

実務の勘所を突いたわね。
収納口座には手数料などの関係で管理業者のお金が混じることもあるけれど、預かった家賃等は速やかに保管口座へ移し、固有財産と混同させないのが原則よ。

雪村 ましろ(しょんぼり) 雪村 ましろ

混ざったままだと、もし会社が傾いたとき、大家さんのお金まで巻き込まれちゃうんだ…。
だから分けるんだね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ましろさん、それがこの制度の本質。
分別管理は業務管理者が管理・監督すべき事項のひとつでもあるわ。

確認クイズ

賃貸住宅管理業法上の分別管理に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 家賃等は、必ず管理受託契約ごとに別々の銀行口座を開設して管理しなければならない
  2. 家賃等を管理する口座を自己の固有財産の口座と明確に区分し、帳簿等によりどの管理受託契約に係る金銭かを直ちに判別できる状態にすればよい
  3. 管理業者の固有財産と家賃等は、同一の口座で一体として管理してよい
  4. 分別管理の義務は、特定転貸事業者にのみ課される
こたえを見る

正解: 2. 家賃等を管理する口座を自己の固有財産の口座と明確に区分し、帳簿等によりどの管理受託契約に係る金銭かを直ちに判別できる状態にすればよい

分別管理は、固有財産と家賃等の口座の区分に加え、帳簿(電磁的記録を含む)による勘定上の分別で足ります。契約ごとに口座を開設する必要はないので選択肢1は誤り。選択肢3は固有財産との混同そのもので違法です。選択肢4は誤りで、分別管理は賃貸住宅管理業者(管理受託)の義務です。

香月リサ先生、深見つむぎ、雪村ましろ、戸倉ジャスミンが海辺でビーチボールを楽しむ様子

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