解約の申入れ — 賃貸人は6か月、賃借人は3か月

期間の定めがない建物賃貸借は、解約の申入れで終了します。賃貸人と賃借人で予告期間が異なる点と、期間の定めがある契約の中途解約を整理します。

編集・検証: 賃貸不動産経営管理士スタディ編集部 公式情報: 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会 制作・検証方針

前回の法定更新で「期間の定めがない契約」が生まれました。では、その契約はどうやって終わらせるのでしょうか。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、質問があります。
期間の定めがない契約は、永久に終わらないのでしょうか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いいえ。解約の申入れで終わらせられるわ。
ただし予告期間が当事者で違うのが要注意ね。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

違うんだ? 同じじゃないの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

賃貸人からの解約申入れは、借地借家法27条1項により申入れの日から6か月を経過することで終了します。
しかも28条の正当事由が必要。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

じゃあ…借りてる側からは?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

民法617条1項2号で3か月。
正当事由もいりません。
半分の期間で、しかも理由不問。

戸倉 ジャスミン(うるうる) 戸倉 ジャスミン

うわ、めちゃくちゃ差があるじゃん。
6と3、間違えそう…。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

ジャスミンさん、守られているのは借りる側。
だから借りる側の負担が軽い——そう考えれば迷いません。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

つむぎちゃんの覚え方、しっくりくる。
方向で覚えるんだね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いい整理ね。
では次。
期間の定めがある契約は、途中でやめられると思う?

戸倉 ジャスミン(しょんぼり) 戸倉 ジャスミン

うぅ…引っ越したくなったらどうするの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

原則は中途解約できません。
期間を約束したのだから当然ね。
ただし中途解約特約があれば別。
実務ではほぼ必ず入っています。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

「賃借人は1か月前の予告により解約できる」という条項をよく見ます。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

それは賃借人に有利な特約だから有効。
逆に賃貸人からの予告期間を6か月より短くする特約は賃借人に不利だから無効 (借地借家法30条)。
方向で判断できるでしょう?

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

よっしゃ、片側通行、また出てきた! 前に習ったやつだ!

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
強行規定の考え方が章を貫いているの。
ここは絶対に落とせないわ。

確認クイズ

期間の定めがない建物賃貸借の解約に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 賃貸人が解約の申入れをした場合、正当事由があれば、申入れの日から3か月の経過により契約は終了する。
  2. 賃借人が解約の申入れをした場合、申入れの日から3か月の経過により契約は終了する。
  3. 賃借人が解約の申入れをするには、正当事由が必要である。
  4. 賃貸人からの解約申入れの予告期間を3か月とする特約は、有効である。
こたえを見る

正解: 2. 賃借人が解約の申入れをした場合、申入れの日から3か月の経過により契約は終了する。

民法617条1項2号により、建物の賃借人からの解約申入れは3か月の経過によって契約が終了するため選択肢2が正しい記述です。選択肢1は誤りで、賃貸人からの解約申入れは6か月の経過により終了します (借地借家法27条1項)。選択肢3も誤りで、賃借人からの解約申入れに正当事由は不要です。選択肢4も誤りで、賃貸人の予告期間を6か月より短くする特約は賃借人に不利であり、借地借家法30条により無効です。

🔖 この記事の関連書籍

Amazonアソシエイトリンクを含みます。他分野は おすすめ書籍ページ へ。