前回の法定更新で「期間の定めがない契約」が生まれました。では、その契約はどうやって終わらせるのでしょうか。
先生、質問があります。
期間の定めがない契約は、永久に終わらないのでしょうか。
いいえ。解約の申入れで終わらせられるわ。
ただし予告期間が当事者で違うのが要注意ね。
違うんだ? 同じじゃないの?
賃貸人からの解約申入れは、借地借家法27条1項により申入れの日から6か月を経過することで終了します。
しかも28条の正当事由が必要。
じゃあ…借りてる側からは?
民法617条1項2号で3か月。
正当事由もいりません。
半分の期間で、しかも理由不問。
うわ、めちゃくちゃ差があるじゃん。
6と3、間違えそう…。
ジャスミンさん、守られているのは借りる側。
だから借りる側の負担が軽い——そう考えれば迷いません。
つむぎちゃんの覚え方、しっくりくる。
方向で覚えるんだね。
いい整理ね。
では次。
期間の定めがある契約は、途中でやめられると思う?
うぅ…引っ越したくなったらどうするの?
原則は中途解約できません。
期間を約束したのだから当然ね。
ただし中途解約特約があれば別。
実務ではほぼ必ず入っています。
「賃借人は1か月前の予告により解約できる」という条項をよく見ます。
それは賃借人に有利な特約だから有効。
逆に賃貸人からの予告期間を6か月より短くする特約は賃借人に不利だから無効 (借地借家法30条)。
方向で判断できるでしょう?
よっしゃ、片側通行、また出てきた! 前に習ったやつだ!
そう。
強行規定の考え方が章を貫いているの。
ここは絶対に落とせないわ。
確認クイズ
期間の定めがない建物賃貸借の解約に関する記述として、正しいものはどれか。
- 賃貸人が解約の申入れをした場合、正当事由があれば、申入れの日から3か月の経過により契約は終了する。
- 賃借人が解約の申入れをした場合、申入れの日から3か月の経過により契約は終了する。
- 賃借人が解約の申入れをするには、正当事由が必要である。
- 賃貸人からの解約申入れの予告期間を3か月とする特約は、有効である。
こたえを見る
正解: 2. 賃借人が解約の申入れをした場合、申入れの日から3か月の経過により契約は終了する。
民法617条1項2号により、建物の賃借人からの解約申入れは3か月の経過によって契約が終了するため選択肢2が正しい記述です。選択肢1は誤りで、賃貸人からの解約申入れは6か月の経過により終了します (借地借家法27条1項)。選択肢3も誤りで、賃借人からの解約申入れに正当事由は不要です。選択肢4も誤りで、賃貸人の予告期間を6か月より短くする特約は賃借人に不利であり、借地借家法30条により無効です。