第5章の最重要論点のひとつです。数字と、更新後の契約がどうなるかを正確に。
2年契約が満了したら、部屋を出ていかなければならない——正しいと思う?
え、契約書に2年って書いてあるなら、そうじゃないの?
それが違うのよ。
借地借家法26条1項の法定更新。
当事者が期間満了の1年前から6か月前までの間に更新拒絶等の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされます。
「1年前から6か月前まで」——この期間の外で通知したら効力はどうなりますか。
1年より前の通知は早すぎて効力を生じないと解されます。
うっかり出し忘れるより、早く出しすぎる失敗も起こり得るの。
むむむ…期間がぴったり決まってるんだね。
そしてここが最大の落とし穴。
更新されると期間の定めがない契約になるの。
「同一の条件で」とあるけれど、期間だけは引き継がれません。
マジで!? 2年契約が更新されても、また2年じゃないんだ!
…あ、それ私も確認しようとしていました。
26条1項ただし書ですね。
ふふ。
さて、もうひとつの法定更新が26条2項。
更新拒絶の通知をしていても、期間満了後に賃借人が使用を継続し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ、やはり更新したものとみなされます。
通知したのに油断したら振り出しに戻るってこと? 大家さん大変じゃん…。
そう。
しかも賃貸人からの更新拒絶には正当事由も必要。
次回そこを扱うわ。
当事者が話し合って更新する合意更新なら、新しい期間も自由に決められますね。
そのとおり。
実務ではほとんどが合意更新。
法定更新は「話がまとまらなかったときの受け皿」よ。
更新料って…払わなきゃいけないものなのかなぁ。
更新料は法律上当然に発生するものではなく、特約があって初めて生じるわ。
判例は、額が高すぎるなどの事情がない限り、明確に合意された更新料特約を有効としています。
確認クイズ
期間を2年とする建物賃貸借 (定期建物賃貸借ではない) の更新に関する記述として、正しいものはどれか。
- 賃貸人が期間満了の3か月前に更新拒絶の通知をすれば、借地借家法26条1項の通知として有効である。
- 法定更新された場合、従前と同一の2年間の期間で更新されたものとみなされる。
- 法定更新された場合、更新後の契約は期間の定めがないものとなる。
- 賃貸人が期間満了の8か月前に更新拒絶の通知をすれば、正当事由がなくても契約は当然に終了する。
こたえを見る
正解: 3. 法定更新された場合、更新後の契約は期間の定めがないものとなる。
借地借家法26条1項ただし書により、法定更新後の契約は期間の定めがないものとなるため選択肢3が正しい記述です。選択肢1は誤りで、通知は期間満了の1年前から6か月前までの間にしなければなりません。選択肢2も同ただし書に反するため誤りです。選択肢4も誤りで、賃貸人からの更新拒絶には正当事由が必要です (28条)。