定期建物賃貸借(定期借家)— 更新がない契約のつくり方

更新がなく、期間の満了で確実に終わる契約が定期建物賃貸借です。ただし成立には「書面での契約」と「事前の別紙による説明」という二つの関門があり、片方でも欠けると普通借家に転落します。

編集・検証: 賃貸不動産経営管理士スタディ編集部 公式情報: 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会 制作・検証方針

普通借家では、賃貸人に正当事由がなければ契約は終わりません。そこで用意されたのが、期間満了で確実に終了する定期建物賃貸借です。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

今日から借地借家法38条、定期建物賃貸借に入ります。
ひとことで言うと「更新がない建物賃貸借」ね。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

更新なし!? じゃあ大家さんが「出てって」って言えば、正当事由とか関係なく出ていかなきゃダメってこと?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

言い方は物騒だけど、結論はそう。
期間が満了すれば、それだけで終わる。
だからこそ法律は、成立のハードルをきちんと二つ置いたの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

一つ目が契約の方式ですね。公正証書等の書面によって契約する——ここでの「等」は、公正証書でなくてもよい、という趣旨だと理解しています。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

ええ、そこは条文が公正証書を例示しているだけで、書面であればいいの。
賃貸人・賃借人の承諾があれば電磁的記録による契約も認められています。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

うぅ〜ん…でも先生。
書面で契約したなら、そこに「更新しません」って書いてあるよね? もう一つの関門って、なんのためにあるの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いい着眼点。
二つ目が事前説明義務。
契約の前に、賃貸人は契約書とは別個独立の書面を交付して、「この契約には更新がなく、期間の満了により終了する」と説明しなければならないの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

契約書に条項として盛り込むだけでは足りない、と。
判例も、契約書とは別個の書面であることを要する、としていますね。

戸倉 ジャスミン(退屈) 戸倉 ジャスミン

えーっ、二度手間じゃん? 同じこと2回言うだけでしょ?

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

ましろは分かる気がする…。
分厚い契約書の中の一行って、読み飛ばしちゃうもん。
別の紙で「これは更新がありません」って渡されたら、さすがに気づくよね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ましろさんの言うとおり、賃借人に自覚を持たせるための制度なの。
だから効果も厳しくてね——説明を欠くと、更新がない旨の定めは無効。
契約自体は生きたまま、普通借家として扱われます。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

マジで!? 説明の紙一枚忘れただけで、更新される普通の契約になっちゃうの…。
それ、大家さん的にはかなり痛いね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

この説明書面についても、賃借人の承諾を得れば電磁的方法による提供が認められている、という理解で合っていますか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

合っています。
書面も電磁的方法も、承諾があれば可。
それと期間の話をひとつ——定期借家では1年未満の期間も有効に定められます。
普通借家なら期間の定めがないものとみなされる長さでもね。

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

よっしゃ、つながった! 半年だけの契約とかができるのは、定期借家だからってことか。

確認クイズ

定期建物賃貸借に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 契約は必ず公正証書によらなければ効力を生じない。
  2. 更新がない旨を契約書の条項に明記していれば、別途の説明書面の交付は不要である。
  3. 事前説明の書面を交付せずに説明を怠った場合、更新がない旨の定めは無効となり、普通借家として扱われる。
  4. 期間を1年未満とする定期建物賃貸借は、期間の定めがないものとみなされる。
こたえを見る

正解: 3. 事前説明の書面を交付せずに説明を怠った場合、更新がない旨の定めは無効となり、普通借家として扱われる。

説明書面を欠くと「更新がない」という定めだけが無効になり、契約自体は普通借家として存続します。選択肢1は誤りで、公正証書は例示にすぎず、書面(承諾があれば電磁的記録)であれば足ります。選択肢2も誤りで、説明書面は契約書とは別個独立の書面であることを要します。選択肢4も誤りで、定期借家では1年未満の期間も有効に定められます。

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