一定規模の共同住宅では、防火管理者を選任し、消防計画を作成しなければなりません。あわせて、共用廊下や避難ハッチなど「逃げ道」を塞がない日常管理が重要になります。
設備を入れただけでは火事から人は守れない。
動かす「人」が要るの。
それが防火管理者よ。
へえ、マンションにもいるんだ。
管理人さんとは違うの?
別の資格ね。
共同住宅は非特定防火対象物で、収容人員が50人以上になると防火管理者の選任が必要になるわ。
収容人員50人。
共同住宅は居住者の数で算定しますから、規模の大きい物件はまず該当しますね。
…50人って、けっこうすぐ届いちゃいそう。
20戸くらいで家族が住んでたら、もう超えるよね。
鋭い感覚。
だから実務では「うちは該当しない」と決めつけないこと。
まず収容人員を数える。
で、その防火管理者って何すんの?
まず消防計画を作って、消防長又は消防署長に届け出る。
そして計画に基づいて消火・通報・避難の訓練を実施する。
ほかにも消防用設備等の点検・整備、火気の使用の監督、避難施設の維持管理ね。
選任したこと自体も、消防長又は消防署長に届け出る必要があります。
そう。
作って終わりではないの。
訓練を回して、避難経路を保つ。
ここからが管理業者の腕の見せどころよ。
…うちのアパートの廊下、自転車とか段ボールが置いてある家があるの。
あれ、だめだよね。
だめ。
共用廊下や階段は避難経路。
私物を置けば、煙の中を逃げる人がつまずいて、それだけで命に関わるわ。
うわ…。
バルコニーも似た話? うちの実家、隣との境に薄い板があるんだけど。
それが隔て板。
非常時は蹴り破って隣へ逃げる。
それから床にある避難ハッチ。
この2つの前に物を置かないよう、入居者に繰り返し周知するのが管理の仕事。
入居時の説明だけでなく、掲示や定期的な通知で周知を重ねることが必要ですね。
よっしゃ、覚えた! 避難ハッチと隔て板の前は聖域。
物置き禁止!
確認クイズ
共同住宅における防火管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 共同住宅では、収容人員にかかわらず防火管理者を選任しなければならない。
- 共同住宅は非特定防火対象物であり、収容人員が50人以上の場合に防火管理者の選任が必要となる。
- 防火管理者は消防計画を作成すれば足り、訓練の実施までは求められていない。
- バルコニーの避難ハッチの上は各住戸の専用部分であるから、物を置いても差し支えない。
こたえを見る
正解: 2. 共同住宅は非特定防火対象物であり、収容人員が50人以上の場合に防火管理者の選任が必要となる。
正解は選択肢2。共同住宅は非特定防火対象物で、収容人員50人以上のときに防火管理者の選任が必要です。選択肢1は誤りで、規模にかかわらず必要になるわけではありません。選択肢3も誤りで、防火管理者は消防計画の作成・届出に加え、消火・通報・避難の訓練の実施や避難施設の管理まで担います。選択肢4も誤りで、避難ハッチや隔て板の前を塞ぐことは避難の妨げとなり、放置してはなりません。