建築基準法12条は、特定行政庁が指定する建築物について、有資格者による定期の調査・検査と特定行政庁への報告を義務づけています。誰が、何を、どのくらいの間隔で見るのかを整理します。
先生、質問があります。
消防法の点検とは別に、建築基準法にも定期報告の制度がありますよね。
両者はどう違うのですか。
いい着眼点。
消防法は火災に備える設備の点検。
建築基準法12条の定期調査・検査報告制度は、建物そのものと付属設備の安全を見るものよ。
うぅ…また似たような制度が増えた。
頭こんがらがるよぉ。
焦らなくていいわ。
この制度は「4つの資格者が、4つの対象を見る」と考えると一気に整理できるの。
むむむ…4つずつ。
数えるならできそう。
いくわよ。特定建築物調査員が建物の状況を調査。建築設備検査員が換気設備・排煙設備・非常用照明などを検査。防火設備検査員が防火扉や防火シャッターを検査。昇降機等検査員がエレベーターなどを検査する。
資格者はそれぞれ専門ですが、一級建築士・二級建築士も調査・検査を行うことができますね。
そのとおり。
よく気づいたわね。
建築士は横断的に担えるの。
で、どのくらいの間隔でやるの? 毎年?
間隔は特定行政庁が定めるの。
建物本体の調査はおおむね6か月から3年までの範囲で、実務上は3年に1回とされることが多いわ。
設備・防火設備・昇降機の検査はおおむね6か月から1年まで。
…建物はどっしり構えてるからゆっくりで、動くものはこまめに、って感じ?
その理解、すごく良いわ。
動くもの・作動するものほど頻度が高い。
イメージで覚えて構わない。
報告先は特定行政庁ですね。
消防は消防長又は消防署長でしたから、そこも対比しておきます。
完璧。
最後にもうひとつ。
外壁のタイルよ。
竣工や外壁改修等から10年を超えたときは、落下すれば人に危害を加えるおそれのある部分について、全面打診調査が必要になるの。
直近3年以内に実施していない場合はその調査で行う、という仕組みね。
タイルって落ちるの!? …そうか、下を人が歩いてるんだもんね。
それは真剣にやらなきゃだ。
確認クイズ
建築基準法12条に基づく定期調査・検査報告制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 調査・検査の結果は、消防長又は消防署長に報告する。
- 昇降機の定期検査は、昇降機等検査員のほか、一級建築士・二級建築士も行うことができる。
- 外壁タイルの全面打診調査は、竣工から1年を経過するごとに必ず実施しなければならない。
- 建築設備検査員が検査する対象は、防火扉および防火シャッターである。
こたえを見る
正解: 2. 昇降機の定期検査は、昇降機等検査員のほか、一級建築士・二級建築士も行うことができる。
正解は選択肢2。昇降機等検査員のほか、一級建築士・二級建築士も定期検査を行えます。選択肢1は誤りで、報告先は特定行政庁です(消防長・消防署長は消防法の報告先)。選択肢3も誤りで、全面打診調査は竣工や外壁改修等から10年を超えたときに求められるもので、毎年ではありません。選択肢4も誤りで、防火扉・防火シャッターは防火設備検査員の担当。建築設備検査員は換気・排煙・非常用照明等を検査します。