建築基準法12条の定期調査・検査報告制度 — 4つの資格者と外壁の全面打診

特定建築物調査員・建築設備検査員・防火設備検査員・昇降機等検査員。誰が何を見て、どこへ報告するのか。外壁タイルの全面打診調査もあわせて押さえます。

編集・検証: 賃貸不動産経営管理士スタディ編集部 公式情報: 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会 制作・検証方針

建築基準法12条は、特定行政庁が指定する建築物について、有資格者による定期の調査・検査と特定行政庁への報告を義務づけています。誰が、何を、どのくらいの間隔で見るのかを整理します。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、質問があります。
消防法の点検とは別に、建築基準法にも定期報告の制度がありますよね。
両者はどう違うのですか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いい着眼点。
消防法は火災に備える設備の点検。
建築基準法12条の定期調査・検査報告制度は、建物そのものと付属設備の安全を見るものよ。

戸倉 ジャスミン(しょんぼり) 戸倉 ジャスミン

うぅ…また似たような制度が増えた。
頭こんがらがるよぉ。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

焦らなくていいわ。
この制度は「4つの資格者が、4つの対象を見る」と考えると一気に整理できるの。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

むむむ…4つずつ。
数えるならできそう。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いくわよ。特定建築物調査員が建物の状況を調査。建築設備検査員が換気設備・排煙設備・非常用照明などを検査。防火設備検査員が防火扉や防火シャッターを検査。昇降機等検査員がエレベーターなどを検査する。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

資格者はそれぞれ専門ですが、一級建築士・二級建築士も調査・検査を行うことができますね。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

そのとおり。
よく気づいたわね。
建築士は横断的に担えるの。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

で、どのくらいの間隔でやるの? 毎年?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

間隔は特定行政庁が定めるの。
建物本体の調査はおおむね6か月から3年までの範囲で、実務上は3年に1回とされることが多いわ。
設備・防火設備・昇降機の検査はおおむね6か月から1年まで。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…建物はどっしり構えてるからゆっくりで、動くものはこまめに、って感じ?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

その理解、すごく良いわ。
動くもの・作動するものほど頻度が高い。
イメージで覚えて構わない。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

報告先は特定行政庁ですね。
消防は消防長又は消防署長でしたから、そこも対比しておきます。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

完璧。
最後にもうひとつ。
外壁のタイルよ。
竣工や外壁改修等から10年を超えたときは、落下すれば人に危害を加えるおそれのある部分について、全面打診調査が必要になるの。
直近3年以内に実施していない場合はその調査で行う、という仕組みね。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

タイルって落ちるの!? …そうか、下を人が歩いてるんだもんね。
それは真剣にやらなきゃだ。

確認クイズ

建築基準法12条に基づく定期調査・検査報告制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 調査・検査の結果は、消防長又は消防署長に報告する。
  2. 昇降機の定期検査は、昇降機等検査員のほか、一級建築士・二級建築士も行うことができる。
  3. 外壁タイルの全面打診調査は、竣工から1年を経過するごとに必ず実施しなければならない。
  4. 建築設備検査員が検査する対象は、防火扉および防火シャッターである。
こたえを見る

正解: 2. 昇降機の定期検査は、昇降機等検査員のほか、一級建築士・二級建築士も行うことができる。

正解は選択肢2。昇降機等検査員のほか、一級建築士・二級建築士も定期検査を行えます。選択肢1は誤りで、報告先は特定行政庁です(消防長・消防署長は消防法の報告先)。選択肢3も誤りで、全面打診調査は竣工や外壁改修等から10年を超えたときに求められるもので、毎年ではありません。選択肢4も誤りで、防火扉・防火シャッターは防火設備検査員の担当。建築設備検査員は換気・排煙・非常用照明等を検査します。

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