外壁の劣化と点検 ― チョーキング・クラック・全面打診

外壁は建物の劣化を最も雄弁に語る場所です。チョーキングやクラック、白華現象といったサインの読み方と、10年・3年という全面打診のルールを押さえます。

編集・検証: 賃貸不動産経営管理士スタディ編集部 公式情報: 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会 制作・検証方針

外壁の劣化は、放置すれば雨水浸入や落下事故につながります。目で見て、手で触れて、音で聴く。その手がかりを覚えましょう。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

外壁の仕上げは色々あるわ。
モルタル塗り、タイル張り、サイディング、ALCパネル、コンクリート打放しなど。
ALCは軽量気泡コンクリートの略で、軽くて断熱性が高いけれど吸水しやすいから、防水塗装の維持が命よ。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

へえ。
……あっ、この壁なでたら手が真っ白!

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

それがチョーキング、白亜化ね。
塗膜が紫外線や雨で劣化して、顔料が粉状になって出てくる。
塗り替えを考えるサインよ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

ふぇぇ〜、壁がおしろいしてるみたい。

深見 つむぎ(あせる) 深見 つむぎ

……ましろちゃん、その表現は答案には書けないよ。

香月 リサ 先生(笑い) 香月 リサ 先生

ふふ、印象で覚えるのも立派な戦略よ。
次はクラック、ひび割れね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

幅0.3mm程度以下の細かいものがヘアークラック、それより大きく構造体に及ぶものが構造クラックです。
後者は雨水浸入や鉄筋腐食につながり、より深刻ですね。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

壁から白い花みたいなのが出てるの、見たことある。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

それは白華現象、エフロレッセンスともいうわ。
セメント中の成分が水に溶けて表面に出て、白く固まったもの。
つまり——

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

どこかから、水が入っているというサインですね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ええ、白華は「水みち」の証拠。
ひび割れや目地から水が浸入している可能性を疑うの。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

タイルが浮くってのも聞いたことあるじゃん?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

タイルの浮きね。
放置すれば剥離、そして落下事故。
だから重要なルールがあるの。
外壁タイル張り等の建物は、竣工などから10年を超えたときは、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分について、3年以内に全面打診等の調査を行う必要があるわ。

戸倉 ジャスミン(笑顔) 戸倉 ジャスミン

10年と3年。
よし、数字は覚えた!

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

調査は、テストハンマーで叩いて音の違いを聴く打診調査が基本。
ほかに、表面温度の差から浮きを推定する赤外線調査もあるわ。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

建物の声を、聴いてあげるんだね。

確認クイズ

外壁の劣化および調査に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. チョーキングとは、外壁のひび割れ等から白い物質が析出する現象をいう。
  2. 白華現象(エフロレッセンス)は、外壁に水が浸入していることを示すサインとなる。
  3. 外壁タイル張りの建物は、竣工から3年を超えたときは、10年以内に全面打診等の調査を行う必要がある。
  4. ヘアークラックは、構造クラックよりも深刻な劣化とされる。
こたえを見る

正解: 2. 白華現象(エフロレッセンス)は、外壁に水が浸入していることを示すサインとなる。

白華現象(エフロレッセンス)は、セメント中の成分が水とともに表面へ出て白く析出したもので、ひび割れや目地から水が浸入していることを示すサインです。選択肢1は誤りで、チョーキング(白亜化)は塗膜が劣化して表面が粉状になる現象をいいます。選択肢3は数字が逆で、竣工等から10年を超えたときに、3年以内の全面打診等の調査が必要となります。選択肢4も誤りで、躯体に及ぶ構造クラックのほうが深刻に扱われます。

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