屋根は雨から建物を守る最前線です。形状によって守り方が変わり、守り方によって点検すべき場所も変わります。
屋根は大きく、傾きのある勾配屋根と、ほぼ水平な陸屋根に分かれるわ。
「陸(ろく)」には水平という意味があるの。
ぽわわ〜、日本語っておもしろい。
勾配屋根は、水が勝手に流れてくれる形なのぉ?
そう、形そのものが排水装置なの。
瓦葺きは耐久性が高いけれど重くて耐震上は不利。
スレート葺きは軽くて安価だけれど塗膜の劣化やひび割れが出る。
金属葺きは軽いけれど錆に注意ね。
一方の陸屋根は水が流れにくいぶん、防水層に頼ることになりますね。
そこでメンブレン防水。
メンブレンは「膜」の意味で、屋根を防水の膜で覆う工法の総称よ。
覚えるのは三つ、アスファルト防水、シート防水、塗膜防水。
ちょっと待って。
膜って、ラップみたいなイメージ?
補足すると、アスファルト防水には、溶融したアスファルトを使う熱工法、常温で貼る常温工法、バーナーで炙るトーチ工法がありますね。
そのとおり。
耐久性・信頼性が高いわ。シート防水は塩化ビニル樹脂系や合成ゴム系のシートを張るもので軽量。塗膜防水はウレタンなどの液状樹脂を塗って継ぎ目のない防水層をつくるから、複雑な形のバルコニーにも向くの。
継ぎ目がないって、なんだか安心する響き。
でも陸屋根で最も多いトラブルは、意外と地味なのよ。ドレン——屋根の排水口の詰まり。
落ち葉やゴミが溜まると水が抜けず、屋上がプールのようになる。
樋の詰まりも同じね。
マジで!? 掃除するだけで防げるってこと?
そう。
だから定期清掃は、立派な予防保全なの。
雨漏りが起きた場合の初期対応も、整理しておきたいです。
まず状況の確認と記録。
写真を撮り、発生日時と範囲を残す。
バケツやシートで応急措置をして、専門業者へ手配。
ここで大切なのは——
……濡れてる場所と、水が入った場所は、違うかもしれない?
……ええ。
水は建物の中を伝って移動するの。
天井の染みの真上に原因があるとは限らないわ。
確認クイズ
屋根および防水に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- メンブレン防水とは、屋根を膜状の防水層で覆う工法の総称であり、アスファルト防水・シート防水・塗膜防水などがある。
- 塗膜防水とは、塩化ビニル樹脂系などのシートを張り付ける防水工法をいう。
- 陸屋根は勾配があるため、防水層を設ける必要がない。
- 屋上のドレンが詰まっても、防水層が健全であれば雨漏りの原因とはならない。
こたえを見る
正解: 1. メンブレン防水とは、屋根を膜状の防水層で覆う工法の総称であり、アスファルト防水・シート防水・塗膜防水などがある。
メンブレン防水は「膜」で屋根を覆う防水工法の総称で、アスファルト防水・シート防水・塗膜防水が代表例です。選択肢2はシート防水の説明で、塗膜防水はウレタン等の液状樹脂を塗り、継ぎ目のない防水層をつくる工法です。選択肢3は誤りで、陸屋根はほぼ水平であるため防水層が不可欠です。選択肢4も誤りで、ドレンの詰まりは水を滞留させ、雨漏り・漏水の主要な原因となります。