給水設備は、飲み水の安全に直結する分野です。方式の分類と、衛生を守るための原則、そして数字を丁寧に押さえましょう。
給水方式は大きく二つ。水道直結方式と受水槽方式よ。
直結って、水道管から蛇口まで一直線ってこと?
直結直圧方式はまさにそれ。
配水管の水圧をそのまま利用するから、受水槽もポンプもいらない小規模向け。直結増圧方式は増圧給水ポンプで加圧する方式で、いずれも水が滞留せず水質面で有利。
ただし停電するとポンプが止まるわ。
じゃあ受水槽方式は、いったん水をためるんだね。
それってどんな仕組み?
代表の高置水槽方式は、受水槽の水を揚水ポンプで屋上の高置水槽へ上げて、あとは重力で各戸へ落とすの。
停電しても、高置水槽に残った水は使えるのが強みよ。
あたしわかった気がする! 屋上にタンクがあるんだから、最上階の水圧が一番強いんでしょ?
惜しいわ。
落差で水圧が決まるから、高置水槽に近い最上階は、むしろ水圧が不足しやすいの。
ほかに圧力タンク方式や、受水槽の水をポンプで各戸へ送るポンプ直送方式もあるわ。
方式ごとに一長一短なんですね。
ところで先生、衛生面で絶対に外せない原則もありますよね?
ええ、鋭いわ。クロスコネクションの禁止よ。
上水道の配管と、井戸水や雑用水など他の系統の配管を直接連結してはならない。
逆止弁や仕切弁を介する場合も認められないわ。
……これは、こわい話だね。
飲み水だもん。
関連して逆サイホン作用。
給水管内が負圧になったとき、汚れた水が給水管へ吸い戻される現象よ。
防ぐには、蛇口の先と器具のあふれ縁との間に吐水口空間を確保し、取れない場合はバキュームブレーカーを設けるの。
吸い戻されないよう、わざと隙間を空けておくのか。
……で、最後に数字があるって言ってたよね?
よく覚えていたわね。
受水槽の有効容量が10㎥を超えるものを簡易専用水道というの。
設置者は1年以内ごとに1回、登録検査機関の検査を受けなければならない。
水槽の清掃も1年以内ごとに1回ね。
つまり、10㎥「以上」ではなく「超える」——ちょうど10㎥は含まない、という理解で合っていますか?
そこ、大事なところ。
「超える」だから、ちょうど10㎥のものは含まれないわ。
あと受水槽は6面点検——天井・底・周壁の6面すべてを外から点検できるように設置するのよ。
ぐるっと囲んで見られるようにするんだね。
漏水にもすぐ気づけそう。
確認クイズ
給水設備に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 簡易専用水道とは、受水槽の有効容量が10㎥以上のものをいう。
- クロスコネクションは、逆止弁を介して接続する場合には認められている。
- 簡易専用水道の設置者は、1年以内ごとに1回、登録検査機関の検査を受けなければならない。
- 高置水槽方式では、高置水槽に近い最上階の水圧が最も高くなる。
こたえを見る
正解: 3. 簡易専用水道の設置者は、1年以内ごとに1回、登録検査機関の検査を受けなければならない。
簡易専用水道の設置者は、1年以内ごとに1回、登録検査機関の検査を受けなければなりません(水槽の清掃も1年以内ごとに1回)。選択肢1は誤りで、簡易専用水道は受水槽の有効容量が10㎥を超えるものをいい、ちょうど10㎥のものは含まれません。選択肢2も誤りで、クロスコネクションは禁止されており、逆止弁や仕切弁を介する場合も認められません。選択肢4も誤りで、高置水槽方式は落差によって水圧を得るため、高置水槽に近い最上階はむしろ水圧が不足しやすくなります。