管理受託契約の重要事項説明(法第13条)

管理受託契約を結ぶ前に、賃貸人へ書面を交付して説明する。いつ・誰が・誰に対して行うのか。説明が不要になる相手方まで確認します。

編集・検証: 賃貸不動産経営管理士スタディ編集部 公式情報: 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会 制作・検証方針

賃貸人は、管理を任せる相手のことを契約前に知っておく必要があります。そのための説明義務が法第13条です。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

法第13条。
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、その契約を締結するまでに、賃貸人に対して書面を交付して説明しなければならない。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

ちょっと待って。
契約したあとじゃなくて、前なんだね?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そこは絶対に落とせないところよ。
契約を締結する前。
締結してからでは意味がないもの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、契約直前に説明されても、賃貸人は検討する時間がありませんよね。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

よく気づいたわね、つむぎさん。
だからガイドラインでは、説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましいとされているの。
義務ではなく「望ましい」よ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

その説明をするのは…業務管理者さん?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ここが前回の続きね。説明者が業務管理者である必要はないの。
ただし、業務管理者の管理・監督のもとで行われる必要があるわ。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

えへへ、前の記事とちゃんとつながった。

戸倉 ジャスミン(あせる) 戸倉 ジャスミン

説明って、わざわざ会いに行くの? 遠方の大家さんだと大変じゃん?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

IT重説も認められているわ。
テレビ会議等を使って説明することができるの。
もちろん、書面はきちんと渡したうえでね。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

テレビ会議がいいなら…電話で説明するのは? そのほうがもっと手軽そうだけど。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

新しく契約を結ぶときの説明は、電話だけでは認められないの。
ただ、契約期間の途中や更新のときに契約の内容を変える変更契約の説明に限っては、条件つきで電話による説明ができるわ。
事前に書面を送って考える時間をとること。
賃貸人のほうから「電話で」と依頼があること。
賃貸人が書面を見ながら聞ける状態かを説明の前に確かめること。
説明のあとで内容を理解したかを確かめること。
この4つがすべてそろったときだけよ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

確認させてください。
変更契約のときは、変更のあった事項について書面を交付して説明すれば足りる、という理解で合っていますか。
契約期間だけを延ばすような形式的な変更なら、説明そのものが要らないとも聞きました。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

合っているわ。
もう一つ、建物が売られて賃貸人が替わったとき。
管理受託契約が同じ内容のまま引き継がれるなら、新しい賃貸人に契約の内容が分かる書類を遅滞なく交付することが望ましい、とされているの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

相手が不動産のプロだった場合はどうなりますか。
管理業者どうしで委託し合うこともあるはずです。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

鋭いわね。
賃貸人が賃貸住宅管理業者・特定転貸事業者・宅地建物取引業者など、管理業務に係る専門的知識及び経験を有すると認められる者である場合は、説明は不要とされているの。

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

なるほど! プロにイチから説明しても意味ないもんね。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

…でも逆に言うと、ふつうの大家さんは守られてるってことだよね。
うん、いい仕組み。

確認クイズ

管理受託契約の重要事項説明に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 重要事項の説明は、必ず業務管理者が行わなければならない。
  2. 相手方が賃貸住宅管理業者である場合でも、重要事項の説明を省略することはできない。
  3. 重要事項の説明は、管理受託契約の締結後、遅滞なく行えばよい。
  4. テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うことができる。
こたえを見る

正解: 4. テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うことができる。

IT重説は認められている。選択肢1は、説明者が業務管理者である必要はない(業務管理者の管理・監督のもとで行う)ため誤り。選択肢2は、相手方が賃貸住宅管理業者・特定転貸事業者・宅地建物取引業者等の場合は説明不要のため誤り。選択肢3は、説明は契約を締結するまでに行うため誤り。

確認クイズ

管理受託契約の内容を変更する契約(変更契約)の重要事項説明に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 変更契約を締結しようとするときは、変更のない事項も含め、常にすべての事項を改めて説明しなければならない。
  2. 一定の要件をすべて満たす場合には、変更契約の重要事項説明を電話で行うことができる。
  3. 新たに管理受託契約を締結する場合も、賃貸人の承諾があれば、電話のみで重要事項説明を行うことができる。
  4. 契約期間のみを延長する場合であっても、改めて重要事項説明を行わなければならない。
こたえを見る

正解: 2. 一定の要件をすべて満たす場合には、変更契約の重要事項説明を電話で行うことができる。

変更契約の重要事項説明は、①事前に書面を送付して十分な時間をとる、②賃貸人から電話での説明の依頼がある、③賃貸人が書面を確認しながら説明を受けられる状態かを説明前に確認する、④説明後に内容を理解したことを確認する、のすべてを満たす場合に限り、電話で行うことができる。選択肢1は、変更契約では変更のあった事項について説明すれば足りるため誤り。選択肢3は、新規の契約の重要事項説明は電話のみでは認められないため誤り。選択肢4は、契約期間のみの延長など形式的な変更であれば説明は不要とされているため誤り。

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