賃貸経営の利益は「総収入金額 - 必要経費」で計算します。何が収入で何が経費か、そして赤字が出たときの損益通算の落とし穴を確認します。
賃貸経営で得た所得は、原則として不動産所得になるわ。
計算式はシンプル。不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費。
入ってきたお金から、出ていったお金を引く。
それだけ? 簡単じゃん!
……その『それだけ』の中身が試験になるんだと思う。
先生、総収入金額には何が入りますか。
家賃、共益費、更新料、礼金。
それから、返還を要しない敷金も総収入金額に含まれるわ。
逆に、返還を要する敷金は預り金だから収入にはならない。
返さなくていいお金は収入、返すお金は預かりもの。
……ちゃんと線が引かれてるんだね。
きれいにまとめたわね。
次に必要経費。減価償却費、固定資産税、損害保険料、修繕費、管理委託料——そして借入金の利息部分よ。
借入金の…利息『部分』? マジで!? 返した金額まるごとが経費じゃないの?
ここが最頻出よ。元本の返済は必要経費にならない。
元本を返すのは、借りたお金を戻しているだけで、費用ではないの。
経費になるのは利息の部分だけ。
減価償却についても確認させてください。
建物は定額法で償却する、という理解で合っていますか。
合っているわ。
建物は定額法。
取得したときに一括で経費にするのではなく、耐用年数にわたって少しずつ費用にしていくの。
もし経費のほうが多くて、赤字になっちゃったら…?
そこで損益通算。
不動産所得の赤字は、給与所得など他の所得と通算できるの。
……ただし、大きな例外が一つあるわ。
うわ、出た。
先生が『ただし』って言うとこ、だいたい試験に出るんだよね…
ふふ、お見通しね。
赤字のうち土地等を取得するための借入金の利子に相当する部分は、損益通算の対象にならないの。
建物の借入金利子なら通算できるのに、土地の分は切られる。
ここは必ず出ると思っていいわ。
最後に青色申告特別控除ですね。
事業的規模——おおむね5棟10室が目安、と聞きました。
そう。
独立家屋ならおおむね5棟以上、アパート等ならおおむね10室以上で事業的規模と扱われ、控除額が大きくなる。
控除額そのものは記帳方法や申告方法で変わり、税制改正もありうるから、規模の基準を軸に覚えてね。
確認クイズ
不動産所得に関する記述として、正しいものはどれか。
- 賃貸物件の取得のために借り入れた資金について、その元本の返済額は必要経費となる
- 不動産所得に損失が生じた場合、その損失の全額を他の所得と損益通算することができる
- 不動産所得の損失のうち、土地等を取得するための借入金の利子に相当する部分の金額は、損益通算の対象とならない
- 返還を要しない礼金は、総収入金額に含まれない
こたえを見る
正解: 3. 不動産所得の損失のうち、土地等を取得するための借入金の利子に相当する部分の金額は、損益通算の対象とならない
正解は選択肢3です。土地等を取得するための借入金の利子に相当する部分の損失は、損益通算の対象から除かれます。選択肢1は誤りで、必要経費になるのは利息部分のみ、元本の返済は経費になりません。選択肢2は選択肢3の例外があるため誤り。選択肢4も誤りで、礼金や返還を要しない敷金は総収入金額に含まれます。