アパートの家賃には消費税がかかりません。でも、店舗の家賃にはかかります。居住用か事業用か、期間は1か月以上か——消費税は「区別」の科目です。
先生、ずっと不思議だったんだけど…お家の家賃って、消費税ってついてないよねぇ? あれは、なんでなのぉ?
ましろさん、いいところに目をつけたわ。住宅の貸付け——つまり人が住むための建物の貸付けは、政策的な配慮から非課税とされているの。
生活の基盤だからね。
あ、あたしわかった気がする! 建物を貸すのは全部消費税なし、ってことでしょ!
……ジャスミンちゃん、それ、たぶん半分だけ合ってる。
先生、事業用はどうなるんですか。
つむぎさんの警戒が正しいわ。店舗や事務所として貸す場合は課税。
同じ『建物の貸付け』でも、居住用か事業用かで扱いが真逆になるのよ。
えーっ! 建物は建物じゃん…。
じゃあ、住むためでも課税になる場合ってあるの?
あるわ。貸付期間が1か月未満の場合。
短期の宿泊のような使われ方は、住宅の貸付けとしての非課税から外れて課税になるの。
1か月。
……住むのか、泊まるのか、の境目なんだね。
土地の貸付けも非課税だと聞きましたが、こちらにも例外がありますか。
あるのよ。
土地の貸付けは原則非課税。
でも貸付期間が1か月未満の場合や、駐車場などの施設の利用に伴って土地が使われる場合は課税になるわ。
更地をそのまま貸すのか、区画や設備を整えた駐車場として貸すのかで違ってくるの。
細かい…。
じゃあ共益費は? あれは家賃と別で請求されるじゃん?
居住用建物の共益費・管理費も、家賃と同様に非課税。
名目を分けても、住宅の貸付けの対価としての性格は変わらないの。
では、管理業者が賃貸人から受け取る管理受託報酬は——役務の提供ですから、課税ですね。
そのとおり。
管理受託報酬も仲介手数料も課税よ。
最後に事業者の側。
基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら原則として免税事業者。
そしてインボイス制度——買手が仕入税額控除を受けるには、原則として適格請求書の保存が必要になったわ。
居住用だけを貸してる大家さんは、そもそも非課税の売上ばかり…。
だったら、あまり関係ない話になるのかな。
確認クイズ
消費税の課税・非課税に関する次のうち、課税されるものはどれか。
- 居住用として1年間貸し付けるマンションの家賃
- 居住用建物の入居者から受け取る共益費
- 店舗として貸し付ける建物の賃料
- 住宅の敷地として1年間貸し付ける土地の地代
こたえを見る
正解: 3. 店舗として貸し付ける建物の賃料
正解は選択肢3です。事業用(店舗・事務所)の建物の貸付けは課税されます。選択肢1・2は住宅の貸付けに係るもので非課税(共益費も家賃と同様の扱い)。選択肢4の土地の貸付けも原則非課税です。なお、住宅の貸付けであっても貸付期間が1か月未満であれば課税となる点に注意してください。