不当な勧誘等の禁止には、うそ・不告知とは別の類型があります。国土交通省令が定める、勧誘の「やり方」そのものへの規制です。
前回は法第29条第1号の不告知・不実告知。
今日は第2号と、それを受けた省令が定める勧誘行為の規制よ。
話の中身ではなくやり方を縛るルールね。
やり方…? 言ってる中身が本当でも、ダメなことがあるの?
あるわ。
説明内容がどれだけ正確でも、相手を追い詰めるような勧誘は違法。
四つの類型を順に見ましょう。
整理します。
第一が威迫する行為。
第二が迷惑を覚えさせるような時間の電話又は訪問による勧誘。
ここまでは省令どおりですね。
威迫って…脅すってこと? 「契約しないと大変なことになりますよ」みたいな?
近いわね。
ただし脅迫にまで至らなくても、相手に不安を与えて動揺させる言動なら威迫にあたる。
「今すぐ決めないと後悔しますよ」と大声で詰め寄る、そんな態度も含まれるの。
…そんなふうに言われたら、断れなくなっちゃうよ…。
ましろちゃん大丈夫、ここは断っていいとこだから! で、迷惑な時間って何時から?
そこはね、一律に何時からとは決まっていないの。
相手方の職業や生活習慣を踏まえて判断される。
もっとも社会通念上、深夜や早朝の電話・訪問が当然アウトなのは言うまでもないわ。
第三が、深夜又は長時間の勧誘その他、私生活又は業務の平穏を害するような方法により困惑させる行為。
長電話や居座りが典型でしょうか。
ええ、勤務中の職場に何度も押しかけるのもここに入るわ。
そして第四が、契約を締結しない旨の意思を表示した相手に対して勧誘を継続する行為。
実務で一番トラブルが多いのがこれよ。
「いりません」と言われた時点で終了、ということですね。
勧誘を受けることを希望しない旨の意思表示も含まれると理解しています。
…断られたら引き下がるのが、法律上の義務なんだね。
試合と一緒だ! 相手が「ノー」って言ったらそこでプレー終了。
しつこく粘ったら反則、ってことでしょ?
上手な喩えね。
しかもこの規制も、第1号と同じく勧誘者に等しく適用される。
そこは忘れないで。
確認クイズ
賃貸住宅管理業法第29条第2号および国土交通省令が禁止する不当な勧誘等に「当たらない」ものはどれか。
- 相手方を威迫して困惑させる行為。
- 相手方が契約を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず、勧誘を継続する行為。
- 深夜に長時間にわたって勧誘し、相手方の私生活の平穏を害して困惑させる行為。
- 相手方から説明を求められ、あらかじめ約束した日時に事務所を訪問して契約内容を説明する行為。
こたえを見る
正解: 4. 相手方から説明を求められ、あらかじめ約束した日時に事務所を訪問して契約内容を説明する行為。
正解は選択肢4。相手方の求めに応じ、事前に合意した日時に訪問して説明する行為は通常の営業活動であり、禁止行為には当たりません。選択肢1は威迫する行為、選択肢2は締結しない旨の意思を表示した者への勧誘の継続、選択肢3は深夜・長時間の勧誘による困惑にあたり、いずれも禁止されます。