サブリース契約は何十年も続きます。相手の会社が傾けば、家賃はその日から止まる。だから法は、業者の中身を見せる仕組みを用意しました。
法第32条、書類の閲覧。
特定転貸事業者は一定の書類を備え置き、求めに応じて閲覧させなければならないわ。
…なんのために? オーナーさんが、業者さんを見るため?
そう。
長い付き合いになる相手の経営の健全性を、オーナー自身が確かめられるようにしたの。
家賃を払い続けられる会社かどうか、という話ね。
たしかに30年契約とかだもんね…。
で、何を置いておくの?
省令が定めるのは三つです。業務状況調書、貸借対照表、損益計算書。
これらに代わる書面でも構いません。
正確ね。
貸借対照表や損益計算書に相当する書類があれば、それで代替できるわ。
ふぇぇ〜、貸借対照表って、左と右がぴったり同じ額になるやつ…? 数字だらけ…
ましろちゃん落ち着いて! 中身の読み方までは聞かれないって。
……たぶん。
ジャスミンちゃん、その「たぶん」は無責任すぎない…? 問われるのは数字と置き場所だよ。
つむぎさんが正しいわ。
押さえるのは三つ。事業年度経過後3か月以内に作成すること、営業所又は事務所ごとに備え置くこと、そして3年間備え置くこと。
3か月、事務所ごと、3年間! よっしゃ、これは覚えられそう!
先生、閲覧を求められる人の範囲を確認させてください。
すでに契約したオーナーに限られますか。
いいえ。相手方となろうとする者――これから契約しようか検討している人も含まれるわ。
契約前に見られなければ、相手を見極める意味がないでしょう?
…あ、そっか。
決める前にこそ、見たいんだもんね。
そういうこと。
なお備置きは電磁的記録でもよい。
ただし求めがあればただちに閲覧できる状態にしておくことが必要よ。
本店に一括ではなく営業所又は事務所ごと――ここが引っかけになりそうですね。
確認クイズ
書類の閲覧(法第32条)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 業務状況調書等は、本店にのみ備え置けば足りる。
- 業務状況調書等は、事業年度経過後3か月以内に作成し、3年間備え置かなければならない。
- 閲覧を求めることができるのは、すでに特定賃貸借契約を締結した相手方に限られる。
- 業務状況調書等を電磁的記録により備え置くことは認められていない。
こたえを見る
正解: 2. 業務状況調書等は、事業年度経過後3か月以内に作成し、3年間備え置かなければならない。
正解は選択肢2。選択肢1は誤りで、営業所又は事務所ごとに備え置く必要があります。選択肢3も誤りで、「相手方となろうとする者」、つまり契約を検討している段階の者も閲覧を求めることができます。選択肢4も誤りで、電磁的記録による備置きも認められています(求めに応じて閲覧できる状態にしておくことが必要)。